これを読んでくださっている皆さんの中にはお正月の箱根駅伝をご覧になった方、多いのではないでしょうか。
そして「箱根ロス」になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。
箱根は終わりましたが、駅伝シーズンはまだ続きます。
まずは都道府県対抗女子駅伝があり、翌週には都道府県対抗男子駅伝が行われます。
特に男子駅伝では、箱根駅伝を沸かせた選手たちが数多くエントリーしています。
各大学で仲間だった選手たちが、今度はライバルとなって共に走ることになるのも興味深いこの駅伝。
さらには実業団選手や中学生、高校生といった選手たちも走ります。
今回は、この都道府県対抗男子駅伝について、ご紹介してきますね!
都道府県対抗男子駅伝の歴代優勝チームは?
まずは、第1回大会からの優勝チームを見ていきましょう。
- 第1回大会(1996年):2時間17分34秒 広島
- 第2回大会(1997年):2時間16分36秒 京都
- 第3回大会(1998年):2時間18分15秒 福岡
- 第4回大会(1999年):2時間16分50秒 兵庫
- 第5回大会(2000年):2時間19分52秒 鹿児島 ※現行のコースへ変更
- 第6回大会(2001年):2時間20分07秒 愛知
- 第7回大会(2002年):2時間19分54秒 福岡
- 第8回大会(2003年):2時間19分06秒 福岡
- 第9回大会(2004年):2時間20分08秒 長野
- 第10回大会(2005年):2時間20分02秒 長野
- 第11回大会(2006年):2時間20分23秒 長野
- 第12回大会(2007年):2時間19分40秒 兵庫
- 第13回大会(2008年):2時間21分06秒 長野
- 第14回大会(2009年):2時間18分43秒 長野
- 第15回大会(2010年):2時間20分02秒 兵庫
- 第16回大会(2011年) :2時間19分31秒 栃木
- 第17回大会(2012年):2時間20分19秒 兵庫
- 第18回大会(2013年):2時間19分51秒 兵庫
- 第19回大会(2014年):2時間19分20秒 長野
- 第20回大会(2015年):2時間19分14秒 埼玉
- 第21回大会(2016年):2時間20分12秒 愛知
- 第22回大会(2017年):2時間19分09秒 長野
- 第23回大会(2018年):2時間19分10秒 埼玉
- 第24回大会(2019年):2時間19分43秒 福島
- 第25回大会(2020年):2時間17分11秒 長野
- 第26回大会(2021年):中止
- 第27回大会(2022年):中止
- 第28回大会(2023年):2時間17分10秒 長野 ※大会記録
長野県が9回と最も優勝回数を多く誇ります。
こうして一覧にしてみると、優勝を経験したチームは少ないことがわかりますね。
長野や兵庫、福岡等が多く、中学や高校といった育成年代の選手と、そこから大学、実業団へと羽ばたいていった選手たちがうまく揃っている地域が大会を牽引していると言えるでしょう。
例えば、長野なら佐久長聖高校の選手、大学、実業団でも同校の卒業生が多数活躍していますね。
そういった選手たちが年に1度、地元長野のために帰ってきて走るという好循環が生まれていると思います。
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都道府県対抗男子駅伝のコース特徴は?
都道府県対抗男子駅伝は、広島平和記念公園を発着点とする全長48.0kmを7区間の選手で繋いで行われます。
- 第1区:7.0km【高校生】平和記念公園前~広電井口駅東
- 第2区:3.0km【中学生】広電井口駅東~海老園交差点
- 第3区:8.5km【一般】海老園交差点~宮島口ロータリー
- 第4区:5.0km【高校生】宮島口ロータリー~JR前空駅東(廿日市市大野)折り返し~JR阿品駅南
- 第5区:8.5km【高校生】 JR阿品駅南~広島工大高前
- 第6区:3.0km【中学生】広島工大高前~草津橋
- 第7区:13.0km【一般】草津橋~平和大通り、城南通り経由~平和記念公園前
コースとなる広島は全体的に川が多いため、各所に橋が架かっており、そこでの高低差10m前後の細かいアップダウンが続きます。
特にアンカー7区は10回もの橋を渡らなければなりません。
このアップダウンをうまくアクセントとして走ることが出来るかがポイントになります。
また、区間の1区は高校生、2区は中学生といったように、それぞれ起用できる選手の年代が決められています。
都道府県対抗女子駅伝(以下、女子駅伝)では、決められているのは中学生区間のみで、高校生以上は一般区間として扱われているため、ここが女子駅伝とは異なる点と言えます(ただし、女子駅伝の一般区間は3人以上の高校生が走らなければならないというルールもあります)。
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都道府県対抗男子駅伝のメンバーは?
大会要項によりますと、メンバー登録は昨年12月27日(火)に行われており、1月11日(水)に発表されました。区間オーダーの提出は大会前日の1月21日(土)になります。
- 最終エントリーリスト(公式サイトより)
各都道府県によって選手の選考方法や基準は異なると思いますが、年末までにはエントリーが行われていることを考えると、秋口には既に候補を絞っていることが考えられます。
そうなると、選考となるレースは中学生、高校生で秋までの大会が対象となり、大学生や実業団選手も箱根駅伝やニューイヤー駅伝の前には既に決まっていると言えるでしょう。
ちなみに筆者の出身でもある神奈川県では、秋に中学生、高校生の選手選考会がそれぞれ3000m、5000mのレースで行われています。
選考レースに勝って代表に選ばれれば、都道府県名の入ったユニフォームが手に入ります。
そのユニフォームはランナーとして一つのステータスになるので、当時陸上部だった私はとても憧れていました^^
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都道府県対抗男子駅伝創設の経緯
都道府県対抗男子駅伝(以下、男子駅伝)は大正時代から続く箱根駅伝等と比べると比較的歴史は浅く、1996年に第1回大会が開催されています。場所は1回大会からずっと広島です。
男子駅伝は、全日本実業団駅伝、朝日駅伝、中国駅伝と日本三大駅伝と称された大会のうち、中国駅伝が発展的解消する形で創設された大会です。
それまで中国駅伝では、旭化成や鐘紡といった実業団チームがしのぎを削っていました。
中国駅伝は歴史が長く、最後となった1995年で62回の開催を数えます。
日本陸上競技連盟(以下・陸連)が既に開催していた都道府県対抗女子駅伝と同様の大会を、男子でも開催できないか検討し、この中国駅伝を改革して開催する形が取られました。
中国駅伝は広島に根付いた大会のため、一部からはこの「改革」に反対する声もあったとのことです。
しかし男子の冬場は駅伝やマラソン、ロードレースが多く、新しく大会を創設するのは困難だったという陸連側の都合もあり、最終的には広島側も受け入れました。
なお、三大駅伝のもう一つ、朝日駅伝は2011年第62回大会をもって終了しています。
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都道府県対抗男子駅伝の目的
女子駅伝もそうですが、男子駅伝も中学生から高校生、大学生、実業団選手といった大人から子供までが一緒になって襷を繋ぎます。
中学生や高校生にとっては、憧れの存在ともいえる大人の選手たちと一緒のチームで走るということは貴重な財産となるでしょう。
筆者の地元神奈川県でも、市町村対抗の「かながわ駅伝」という大会があり、中学生から高校生、一般の選手たちが中心となって走ります。
それぞれ所属するチームが異なりますが、年に1回、地元の市町村に帰ってきて神奈川県のトップを目指して走ります。
選手によっては地元への愛着が強く、例えば大学生なら、箱根駅伝を走った選手が帰ってきて走ることも珍しくはありません。
それぞれ所属するチームで目標とする大会はあると思いますが、年に1回、こうして自分の生まれ育った町のために走ることは、中高生の育成を見てもとても意義のあることなので、トップアスリートのみなさんには、それも一つのモチベーションにして頂きたいなと思っています。
都道府県駅伝についても同様で、若い中高生の育成や地元への貢献という点で、とても貴重な大会だと感じています。
中国駅伝がなくなったという背景は少々心苦しいものがありますが、大会の狙い、目的を考えると素晴らしい大会であることは間違いありません。
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都道府県対抗男子駅伝まとめ
本大会は、箱根駅伝をはじめとした大会で活躍した選手たちがそれぞれの地元チームで走ります。
例えば、駒澤大学の田澤廉選手は青森で、青山学院大学の近藤幸太郎選手は愛知で、といったように故郷のチームの一員として参加します。
登録メンバーリストによると、箱根駅伝に限れば今年の第99回大会に出走した選手の内、なんと56名もの選手が登録されています。
どこの大学の選手がどこのチームで走るのか(どこの出身なのか)、といった点もぜひ皆様注目してみてくださいね!