週刊文春で好評連載中の「俺たちの箱根駅伝」読んでますか?
この物語の主人公たちは強豪校の選手でもなく、古豪校の選手でもなく、関東学生連合の選手たちです。
もちろんお仕事小説が得意な池井戸さんなので、ただのスポーツ小説ではなく、箱根駅伝を放送するテレビ局クルーたちの視点も盛り込まれたストーリー展開になっているわけですが、実際この小説で関東学生連合に興味を持った方も多いのではないでしょうか?
今回は、その箱根駅伝ではあまりスポットが当たらないけれど、実は複雑なルールが絡んでいて、知ればもっと箱根駅伝が楽しくなる関東学生連合について説明したいと思います!
関東学生連合の選抜方法は?
関東学生連合は、毎年10月に行なわれる箱根駅伝予選会にて、本戦出場を逃した11位以下の大学から優秀な成績を収めた選手が16名選ばれます。
そして、その中でも下記条件を満たした選手のみが選抜対象となります。
- 各大学1名まで
- 箱根駅伝本戦に出場したことがないこと
- 留学生でないこと
関東学生連合が「より多くの大学・選手が箱根路を走れるように」という名目の元、結成されたチームなので、上記条件は理に適っていると言えるでしょう。
「留学生でないこと」については、ダイバーシティ重視になりつつある現代からすると、賛否あるところかなぁという気もしますが、箱根駅伝が「世界に通用するランナーを育成したい」という思いから創設されたものなので、「日本人選手」という条件も、まぁ納得かなという気もします。
予選会って大体上位は留学生が占めるのがセオリーになっているので、ここの条件を緩和しちゃうと、関東学生連合がほとんど留学生だらけになってしまう可能性もありますしね^^;
そして、ここからがちょっとややこしいのですが、もし関東学生連合入りを辞退した選手がいた場合はどうなるのでしょうか?
「その辞退した大学の2番目に成績が良かった選手が繰り上げになるのでは?」と思ってしまいがちですが、実はそうじゃないんです。
予選会で敗れた大学の中で、17番目に成績が良かった選手が繰り上げになります。
なので、辞退しちゃうと、他の大学にチャンスが移ってしまって、せっかくの箱根の経験値を母校に持って帰れなくなってしまうのですね・・・勿体ない!
でも、コンディションなど我々の預かり知らぬ様々な事情や思いもあると思うので、こればかりは仕方ないですよね。。
ちなみに、関東学生連合に選抜された選手が箱根本戦への出場経験がある場合は、同じ大学の2番目にタイムが良かった選手が選抜されます。
つまり、辞退するとその大学はノーチャンスになるけど、既に箱根駅伝を走ったことがあるから不可という場合に限り、その大学には再チャンスがあるということですね。
わぁ、とてもややこしい!><
えーと、例を挙げるならこんなイメージかと…
予選会順位 | 本戦出場経験 | 関東学生連合チーム | |
1 | 留学生(大学A) | ○ | × |
2 | 留学生(大学B) | × | × |
3 | 日本人学生(大学A) | × | ○ |
4 | 日本人学生(大学B) | ○ | × |
5 | 日本人学生(大学B) | × | ○ |
6 | 日本人学生(大学A) | × | × |
7 | 日本人学生(大学C) | × | ○ → 辞退 |
8 | 日本人学生(大学C) | × | × |
(中略) | |||
17以下 | 日本人学生(大学F) | × | ○ |
こうやって見ると、様々な条件を加味して選抜されるので、純粋に16位までにゴールした順のみで決まることって、まず無いのでしょうね。
関東学生連合の最高順位は?
関東学生連合の最高順位は第84回大会(2008年)の4位となっています。
こちらは正式参加なので、きちんと順位がついています。
ちなみに、オープン参加の時は順位の後に「相当」と付くのですが、この場合の最高順位は第92回大会(2016年)の11位となっています。
やっぱり、正式参加の時の方が一桁台の順位に入っていたりと好成績が目立つ反面、オープン参加になってからは、20位前後と最下位争いの常連になっています…
やっぱり走るからには「記念」ではなく、きちんと「記録」として選手は残したいでしょうし、そこがモチベーションに関わってくる面もあるのかもしれないですね。
関東学生連合がシード権を得たらどうなるの?
関東学生連合は現在オープン参加であるため、シード権を獲得することはありません。
なので、10位以内に入っても、特に何もない…というのが現状です。
正式参加だった時には、10位以内に入ればシード校を1つ減らすことができ、翌年の予選会枠を1つ増やすことができました。
関東学生連合は毎年編成が変わるチームですから、シード権を獲得したからと言って、翌年も同じ大学で編成されたチームで出れるというわけではないんですね。
その代わりに、上記のようにシード枠を1つ減らすことで、翌年の予選会から本戦へ出場できるチャンスを貰える大学が通常であれば10校のところを11校に増やせたというルールがあったのです。
個人的にはこのルール、なかなか面白いし熱い展開だなぁと思うので、また関東学生連合が正式参加になって欲しいな、なんて思ってます。
関東学生連合の選抜方法まとめ
関東学生連合のことについて、興味を持って頂けましたでしょうか?
特に選抜方法については、色々な条件が絡んでややこしいので、単純に「こうですよ」と一言では表せないところがあります。
冒頭で話した「俺たちの箱根駅伝」を通じて、もっとたくさんの人が関東学生連合にも興味を持ってもらえたらなと思います。
彼ら一人一人にもドラマがありますし、テレビを通しては見えない、チームの中での葛藤や想いもあると思います。
いつか彼らのチームにももっとスポットが当たることを願ってやみません。