秋の駅伝シーズンが始まったと思ったら、すぐにやって来るのが箱根駅伝の予選会です。
予選会とはいえ関東の多くの大学、長距離選手にとっては年間で最も重要な試合と位置付けており、この大会の順位で箱根駅伝出場が決まるので、世間の駅伝ファンの関心も高く、テレビ中継も行われます。
今大会は開催100回を記念して、出場校を関東以外の全国の大学にも開放することになり、これに合わせてテレビ中継も日本テレビ系列の関東ローカルから全国ネットでの生中継へと切り替えられています。
さて、今年はどの大学が本戦への切符を手に入れるのでしょうか!?
箱根駅伝予選会2024予想と注目選手
それでは気になる予想ですが、レース展開、注目選手、そして予選会突破校の順に見ていきましょう!
レース展開はどうなる?
おそらくは例年通りの光景になるのですが、持ちタイムが速く、実力のある外国人留学生が中心となって先頭を引っ張る形になると思います。そしてそこについていく日本人選手がいるかどうかが注目ポイントになるでしょう。
選手層に自信のある大学は自分たちのペースで落ち着いてレースに入っていくことが考えられますが、選手層に若干の不安を抱えている大学としては、エース級の選手たちが出来るだけ前の位置でレースを進めてタイムを稼ぎたいところです。
特に他大学の選手と伍するようなエース級の選手がいない大学の場合は、同じ大学のメンバー数名で固まって同じペースで走る「集団走」を取り入れる所も多いでしょう。
タイム合計の順番で勝負が決まる予選会ならではの光景として、ファンの方々の中ではお馴染みの戦略です。
注目選手は?
個人的には1年目で早くも5000m、10000mの日本学生記録を更新した東京国際大学のリチャード・エティーリ選手がハーフマラソンという距離でどのくらいのタイムを出してくるか、に注目しています。
東京国際大学にはもう1人留学生アモス・ベット選手もおり、留学生は1校1名までの制限があるため、どちらの選手が出てくるかはまだわかりませんが、間違いなくタイムを稼ぐ目的で先頭を引っ張ることになると思います。
#ゴールデンゲームズ
5000m 13:00.17 日本学生記録!🥇リチャード・エティーリ(東京国際大1)
「13分05秒がターゲットだったから切れて嬉しい。次は12分台目指します。いい記録が出せて幸せです」目指すところはまだまだ上です。#ekiden1134 https://t.co/ufJw2mlVQa pic.twitter.com/h0Muvw5NKl
— 文化放送大学駅伝独り占め (@ekiden1134) May 4, 2023
これに続く日本人選手としては、中央学院大学の吉田礼志選手が挙げられます。今年のワールドユニバーシティゲームズのハーフマラソン日本代表で日本勢最上位の4位入賞を果たしている吉田選手。
ハーフマラソンの自己記録も日本学生歴代2位の1時間00分31秒で、予選会に参加する日本人学生の中では頭一つ抜け出していると言えるでしょう。
10000mでも27分58秒60のタイムを持っており、スピードもあります。
FISUワールドユニバーシティゲームズin成都(8/6)
ハーフマラソン団体3位🥉✨
吉田礼志は日本人トップの4位入賞✨ pic.twitter.com/Me6utQ6BrX
— 中央学院大学駅伝部 (@cgu_ekiden) August 6, 2023
また、個人的に注目しているのは東京農業大学の1年生前田和摩選手。
ルーキーとはいえ、春の関東インカレで5000m4位入賞、全日本大学駅伝の関東学連推薦選考会では10000mで28分03秒51という衝撃的なタイム(日本U20歴代2位)を出して日本人トップの全体3位。
ハーフマラソンにどこまで対応できるかは未知数ですが、今後も含めて楽しみな選手です。
【学生長距離Close-upインタビュー】東農大のスーパールーキー・前田和摩「目標は箱根予選会の日本人トップ」
全日本大学駅伝選考会、U20日本歴代2位の28分03秒51をマークし、 #東農大 の14年ぶり本戦出場に貢献した。#前田和摩#箱根駅伝 #全日本大学駅伝
|月陸Onlinehttps://t.co/DOteviHE92— 月陸Online/月刊陸上競技 (@Getsuriku) June 30, 2023
予選会突破校はどこ?
例年上位10校が通過する予選会ですが、今年は3枠増えてよりチャンスも増えています。
前回の箱根駅伝でシード権となる10位以内を逃した大学を中心に、各大学虎視眈々と狙ってくることでしょう。
東海大学の石原翔太郎選手や、専修大学で昨年の予選会日本人トップだった木村暁仁選手がエントリーされていないといった状況もあり、さらに混戦となりそうです。
ちなみに、東京国際、明治、帝京、山梨学院、東海、大東文化、日本体育、立教、国士舘、専修、以上の10校が前回箱根駅伝で11~20位となった大学です。
予選会に回ったとはいえ、選手個々の力は強力なものがあります。
予選突破候補には間違いなく入るでしょう。
それに続いて、前回の予選会で惜しくも涙を呑んだ神奈川、中央学院、日本、麗澤、東京農業といった大学にも今回は大いにチャンスがあると思います。
オールドファンの私としては「N」の文字が箱根駅伝に帰ってきてくれると嬉しいです。
今のところ、今大会のみ参加が可能となっている他地区学連の大学については、本戦を狙う大学から、経験を積ませる場と位置付けている大学まで様々ですが、選手の持ちタイムを見る限りは関東の大学に分がありそうです。
本戦はもちろんのこと、予選会も相当なプレッシャーが選手たちに圧し掛かります。
スポーツはメンタルも大きく影響されますので、緊張で体が強張り、普段通りのパフォーマンスができないこともよくあります。
そんな中でも、「1秒でも速く!」「1人でも先へ!」という根性や気合で走っている選手たちの姿には、本戦さながらにドラマがあり、毎回心を揺さぶられるものがありますね。
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箱根駅伝予選会の方法は?
例年の箱根駅伝予選会は、関東学生連合に所属する大学で、トラックの10,000m34分00秒以内の公認記録を持つ10人以上12人以下のチームで争われます(エントリーは14名まで)。
そのため、総勢500名前後の選手が一斉に自衛隊駐屯地を駆けだす姿は圧巻です!
距離はハーフマラソンと同じ21.0975kmで、上位10人の総合タイムが速い上位10校が予選通過となります。
なお、今年は第100回記念大会なので、日本学生陸上競技連合に加盟するどの大学でも参加可能となっており、出場枠も3校増枠されているため、13校が箱根駅伝への出場権を獲得します。
ちなみに、選手のゼッケンにはマイクロチップが付いていて、それがアンテナマットの上を通過すると自動的にタイムが計測される仕組みとなっているんですよ。
↓これはチップをシューズに付けていますが、イメージとしてはこんな感じです。
【#世界陸上 機材紹介⑤「トランスポンダー」】
マラソン、競歩等ではあらかじめ選手情報を登録したトランスポンダー(チップ)を選手に装着し、各計測地点に設置したアンテナマットを選手が通過する際に、そのチップから送信される情報を読み取って各選手の通過タイムを測定します。#Seiko pic.twitter.com/YOSN6tmmca— セイコースポーツ (@sports_seiko) August 13, 2017
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箱根駅伝予選会のラジオ放送はある?
調べてみたところ、本戦のラジオ放送はあるものの、予選会のラジオ放送はないようです。
ちなみに、本戦のラジオ中継をしている文化放送では、「箱根駅伝への道」というコーナーが「文化放送スポーツスペシャル 長谷川太 スポーツにちょい足し!」の放送中にあり、毎週火曜~金曜の18時15分~18時25分の間で放送されています。
各大学の選手や監督などの方々へインタビューを中心とした内容を、ナビゲーターの柏原竜二さんが届けてくださいますよ。
10分間の短いコーナーですので、ご興味をお持ちの方は「ちょっと聞いてみようかな」というスタンスで楽しめるのではないかと思います^^
今日から『箱根駅伝への道』放送開始!
今シーズンもナビゲーター #柏原竜二 さんが、学生長距離界の話題をお届けします📣10/3 昨年度振り返り
10/4-6 #出雲駅伝 に向けて
4日🎤青山学院大学・原監督
5日🎤國學院大學・前田監督
6日🎤駒澤大学・藤田監督#ekiden1134https://t.co/jo9GUgfeFR— 文化放送大学駅伝独り占め (@ekiden1134) October 3, 2023
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箱根駅伝予選会2024予想まとめ
コロナ禍の影響もあり、無観客での開催が続いた予選会も、今年は制限なしで開催されますので、結果発表会場となる昭和記念公園のみんなの原っぱには大観衆が押し寄せることでしょう!
予選会の順位を関東学生陸上競技連盟の学生幹事長が読み上げていく結果発表は、予選会のハイライト。
ハラハラドキドキの瞬間を今年はみんなで楽しめそうですね(当事者の方々は気が気じゃないと思いますが…)。
今年は上記のように全国の大学が出場可能となり、また100回の記念大会として開催されるため、出場枠も13校となったことから、多くの大学がチャンスと捉えているかと思います。
1年間この大会に懸けてきた選手たちの走りにご注目ください!