年末年始を家で過ごした人の中には、テレビで駅伝をなんとなく見ていた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本の冬は駅伝シーズンでもあり、ニューイヤー駅伝や箱根駅伝といった男子駅伝が目立つかもしれませんが、女子も年末に高校駅伝や富士山女子駅伝が行われ、こちらも毎年盛り上がりを見せています。

そして年明け最初の女子駅伝と言えば、京都で行われる都道府県対抗女子駅伝(皇后杯全国女子駅伝)です!
この駅伝は、中学生~一般選手で構成された47都道府県のチーム対抗で争います。
いつもは襷を繋ぐ仲間同士がライバルになったりするので、とても面白いんですよ。
今回は女子の駅伝競走にもぜひ興味を持って頂きたく、この都道府県対抗女子駅伝について解説していきたいと思います。
都道府県対抗女子駅伝の優勝候補を予想!
では、早速気になる2023年の優勝候補を予想してみたいと思います!
区間エントリー発表は、大会前日の夕方と結構ギリギリでした。
周りの評判を聞いていると、前回優勝で2連覇中の京都、福岡、兵庫チームの前評判が高いですね。
では、それぞれの戦力を見ていきましょう。
京都
京都は年末の全校高校駅伝で4位となった立命館宇治高校の選手が中心。5人の高校駅伝メンバーの内、4人が3000mを9分10秒台で走るスピードを持っています。
一般にはふるさと選手として、スターツの佐藤奈々選手(スターツ)や、柳谷日菜選手(ワコール)、村松灯選手(立命館大学)といった勢いのある若手を登録しています。
いずれも5000m15分台の走力を有しており、前半区間の流れや中学生区間次第では3連覇も見えてくると思います。
福岡
福岡は県大会からしのぎを削ってきた筑紫女学園高校と北九州市立高校等の選手に、逸木和香菜選手(九電工)、菅田雅香選手(日本郵政グループ)といった実業団選手が加わり、3000mなら9分10秒前後、5000mも15分台平均あたりで走れる走力を有しています。
中学生も3000mで9分台の記録を持つ岡本彩希選手(曽根中学校)、菅原心菜選手(Star Light AC)等が登録メンバー入りしており、穴のない布陣が組めそうです。
兵庫
兵庫は、田中希実選手(豊田自動織機)が今回エントリーされなかったことにより、少し戦況が変わるかもしれませんが、一般区間は、5000m15分台の記録を持つ太田琴菜選手(日本郵政グループ)、永長里緒選手(大阪学院大学)、石松愛朱加選手(名城大学)といったメンバーがエントリーされており、流れに乗れば面白い存在になると思います。
その他注目のチーム
個人的には、宮城と長野にも注目しています。
宮城は仙台育英高校の現役と卒業生でメンバーを固めている布陣となりそうです。
名城大学に鳴り物入りで加入した米澤奈々香選手や、スピードのある佐々木梨七選手(積水化学)、高校生トップクラスの実力を持つ杉森心音選手等、強力なメンバーが揃っています。
長野は年末の全国高校駅伝で優勝した長野東高校のメンバーに加えて、一般選手にもふるさと選手として、和田有菜選手(日本郵政グループ)がエントリーされています。
和田選手は名城大学での活躍が記憶に新しい選手で、学生時代に出場した駅伝はすべて優勝、負けなしで卒業しており実績は十分です。
その他にも、佐藤成葉選手(資生堂)、渡邊菜々美選手(パナソニック)といった5000mを15分30秒以内で走る選手と、高校駅伝で5位入賞の白鵬女子高校のメンバーが多数登録されている神奈川も上位に顔を出しそうです。
トップレベルの選手たちは1kmあたり3分ちょっとのペースで走ってきますので、3000m9分台、5000m15分台といったタイムは観戦の際にひとつの目安となると思います。
あなたもぜひ予想してみてください!
都道府県対抗女子駅伝の出場資格は?
都道府県対抗女子駅伝のチームは、登録している各都道府県陸上競技協会の選手で構成されています。
下記は選手と登録についての説明です。
- 中学生、高校生:各学校の所在地の陸上競技協会に登録されています。
(例)東京都内の学校に通う中学生と高校生 → 東京陸上競技協会に登録 - 大学生:現住所、大学の所在地か出身中学校・高校の所在地のいずれかで登録が可能です。
(例)東京都内の高校出身で愛知県内の大学に在学 → 東京か愛知のどちらかに登録 - 実業団選手:実業団選手は会社の所在地である都道府県の陸上競技協会に登録することになります。出身校による登録は出来ないので、そこが大学生と異なる点になります。
(例)東京都内の中学・高校出身で愛知県内の実業団に所属 → 愛知陸上競技協会に登録、東京陸上競技協会の登録不可 - 一般選手:現住所や所属しているチーム等があればその所在地での登録が可能となります。
(例)東京都在住で神奈川県のクラブチームの所属 → 東京か神奈川のどちらかに登録
ちなみに覚えておいて欲しいのが、都道府県対抗駅伝には「ふるさと選手制度」があるということ。
これは、大学生・実業団・一般の選手に適用される制度で、登録している陸上競技協会ではなくても出身中学・高校のある都道府県チームで走ることが可能となります。
(例)東京都内の中学・高校出身で愛知県内の実業団に所属 → ふるさと選手として東京チームで出場可能
このふるさと選手制度は都道府県対抗駅伝に限らず、各地域のローカルな駅伝大会でも採用されていることが多いです。
自身の生まれ育った地元チームで走ることが出来るのは、選手にとっても嬉しいですね^^
都道府県対抗女子駅伝のコース特徴は?
コースは京都府にあるたけびしスタジアム京都をスタートし、京都国際会館前を折り返して、再びたけびしスタジアム京都がゴールとなる全長42.195kmのコースで行われます。
たけびしスタジアム~京都国際会館前のコースと聞いてピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが、このコースは年末に行われる全国高校駅伝の男子のコースと同じなんです。
ただ、高校駅伝は7区間で行われますので、それぞれの区間距離は異なります。
コースは、京都自体が起伏のある地形ということもあり、各区間とも上りや下りといった特徴が見受けられます。
- 第1区:最初は平坦ですが、徐々に上りがきつくなります。
- 第2区:登って最後は若干下ります。
- 第3区:下り基調。
- 第4区:前半上り基調も後半少し下ります。
- 第5区:上り基調。山に近いため風が吹くこともあります。跨線橋のアップダウンあり。
- 第6区:下り基調。跨線橋のアップダウンあり。
- 第7区:下り基調。
- 第8区:上り基調。
- 第9区:前半2kmは登り。それ以降は下って徐々に平坦になります。
第41回全国女子駅伝は2023年1月15日(日)の開催です。
大会までいよいよあと1カ月!
大会当日は交通規制を行います。
ご理解・ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。#全国女子駅伝 pic.twitter.com/cVUcF7xsar— 皇后盃全国女子駅伝 (@WomensEkiden) December 15, 2022
都道府県対抗女子駅伝まとめ
有名な選手が出場するだけでなく、みなさんのそれぞれの出身地を応援できるのもこの大会の一つの魅力だと思います。
上記の通り、登録の方法がいくつか定められていることもあって、必ずしも選手全員がその都道府県出身ということではありませんが、日本のトップレベルの選手と、我が地元の選手を同時に見ることができる貴重なレースと言えるでしょう。
大会当日はNHKで生中継されます。
女子駅伝に興味を持ちになった皆様、ぜひご覧になってくださいね!