1月末で駅伝シーズンはひと段落したところで、ロードレース、特にマラソンシーズンが本格化します!
2月の第一日曜日には例年通り別府大分毎日マラソン(以下・別大マラソン)が開催されます。
「新人の登竜門」とも言われているこのマラソン。
正月のニューイヤー実業団で走った国内トップクラスの選手や、マラソン界の次代を担う若手まで様々な選手が走ります。
今回はこの別大マラソンについて、私なりに注目点をまとめてみたいと思います。
特にニューイヤー駅伝で実業団選手の走りに興味をお持ちになった方に皆様にも楽しんでいただけたらいいなと思います^^
別府大分毎日マラソンの注目選手は?
早速ですが、別大マラソンの注目選手を挙げてみたいと思います。
海外招待選手
まずは海外招待選手ですが、今大会は3名と少ないです。
ですが、3名とも自己記録2時間7分台を持っていますので、当然優勝争いに絡んでくるでしょう。
中でもハムザ・サハリ選手(モロッコ)は、2020年の第69回別大マラソンで優勝した経験があります。
3年ぶりに走る別大でも期待がかかります。
国内招待選手
続いて、国内招待選手ですが、こちらは8名の選手が揃いました。
自己記録も2時間6分台から8分台と、いずれも実力者ばかりです。
私が期待しているのは、ハーフマラソンの日本記録1時間00分00秒を持つ小椋裕介選手(ヤクルト)と、久しぶりにマラソンを走る木村慎選手(Honda)です。
小椋選手は、持ちタイムが2時間06分51秒ですが、コメントで「2時間08分台」と少々控えめな目標タイムを掲げていました。
練習の消化状況か好不調の問題なのかは現時点ではわかりませんが、持っているスピードは間違いなくトップレベルにあります。
当日のペース次第では十分にタイムも優勝も狙えるでしょう。
続いて木村選手ですが、2020年の東京マラソン(2時間07分20秒で11位)以来3年ぶりのマラソンになります。
読めない部分はありますが、木村選手もハーフマラソンでは1時間00分54秒の記録を持っており、スピードに関してはトラックの持ちタイム含めて小椋選手と遜色ない実力の持ち主です。
今年のニューイヤー駅伝ではアンカー区間を走り、Honda2連覇のゴールテープを切ったシーンが記憶に新しいですね。
その他にも、昨年のベルリンマラソンの高速レースを経験して自己記録をマークしている丸山竜也選手(トヨタ自動車)や、2021年のびわ湖毎日マラソンを2時間07分台で走っている聞谷賢人選手(トヨタ紡織)、村本一樹選手(住友電工)、市山翼選手(小森コーポレーション)と、招待選手に期待を持てる選手が多くいます。
一般エントリー選手
また、一般エントリーの選手に目を移すと、こちらもサブ10(2時間10分以内のタイムを持つ選手のこと)ランナーが数名います。
別大マラソンを経験済みの選手もおり、優勝争いに絡んでくる可能性はあると思います。
2時間08分台を持つ中西亮貴選手(トーエネック)、小山司選手(SUBARU)に、同09分台の二岡康平選手(中電工)、あと少しでサブ10の兼実省伍選手(中国電力)、田中飛鳥選手(RUNLIFE)、金森寛人選手(小森コーポレーション)、安井雄一選手(トヨタ自動車)といった面々も虎視眈々と優勝を狙います。
田中選手はプロランナーでもありますね。
また、マラソンに関しては悩めるスピードランナー市田孝選手(旭化成)の復活にも期待したいです。
学生ランナー
そして今回は、箱根駅伝を湧かせた選手をはじめ、大学生も10名以上が出場予定です。
青山学院大学からは横田俊吾選手、西久保遼選手、志貴勇斗選手が、順天堂大学からは西澤侑真選手が、創価大学からは緒方貴典選手、東京国際大学からはルカ・ムセンビ選手といった選手も出場します。
中でもムセンビ選手は、昨年の北海道マラソンで優勝を飾る等、暑さと長い距離に適正を見せています。
同じ大学にイェゴン・ヴィンセント選手がいたこともあり、箱根駅伝を走ることは出来ませんでしたが、冬のマラソンにどう合わせてくるか、楽しみな選手です。
大学生の中には西久保選手のように既に昨年の別大マラソンを経験している選手もいますが、チャレンジャーとしてどこまで走れるか、思い切りのいい挑戦をしてほしいなと思います。
別府大分毎日マラソンのペースメーカーは誰がやるの?
次に、ペースメーカーのご紹介です。公式サイトによると、下記の選手が登録されていました。
- ドミニク・ニャイロ(NTT西日本)
- ワークナー・デレセ(ひらまつ病院)
- チャールズ・ワンジク・カマウ(武蔵野学院大学)
- ノア・キプリモ(日本薬科大学)
- アレックス・キバルス(ケニア)
キバルス選手以外の4名は日本で活躍されている選手ですね。
何キロ地点までペースメイクするのかはわかりませんが、出来る限り一定のペースで引っ張ってほしいなと思います。
これはあくまで私見ですが、海外のマラソンを見ていると、ペースメーカーは1kmごとの上げ下げが大きいことが時々あり、その点、日本人選手や日本で育った選手の方がタイムを順守するという手法は取りやすいのかもしれないな、と思いました。
あまり海外選手の練習方法に詳しいわけではないのですが、日本人の練習はとかく設定タイムを順守する傾向にあるように思えます。(なんとなくですが…^^;)
もちろん良いか悪いかを言うつもりはありませんので、悪しからず。
別府大分毎日マラソンの参加人数はどれくらい?
かつては参加資格記録が2時間40分00秒と、エリートマラソン大会だった別大マラソンも、近年では少しずつ市民ランナーも参加できるマラソン大会へと変わりつつあり、2023年大会の参加人数は4179人(内訳は下記の通り)となっています。
- 海外招待選手:3人
- 国内招待選手:8人
- カテゴリー1:190人(マラソン2時間30分以内・陸連登録者)
- カテゴリー2:1115人(マラソン2時間55分以内・陸連登録者)
- カテゴリー3:625人(マラソン2時間59分59秒以内・陸連登録者)
- カテゴリー4:1351人(マラソン3時間30分以内・陸連登録者)
- カテゴリー4:869人(マラソン3時間30分以内・陸連未登録者)
- ペースメーカー:5人
- 視覚障がい者選手:13人
定員は4000人ですが、第70回記念大会に出走予定となっていた競技者で、大会規模縮小に伴い、第71回大会へ出走権が持ち越された競技者は、申込者全員が参加できるようになっているため、このような合計人数となっています。
また上記の内、カテゴリー1の選手のみ、給水地点でスペシャルドリンクを置くことが出来ます!
女子マラソンだと、ドリンクボトルが目立つようデコられてるんですが、男子はシンプルなのかな…?そこも注目しながら観戦してみてください!
別府大分毎日マラソンの注目選手まとめ
別大マラソンは海沿いを走るコース故に風の影響を受けやすく、かつてはタイムが狙いにくいレースと言われていました。
しかしそれを受けて、2010年、2016年とコースを変更すると、前回2022年の第70回大会では、西山雄介選手(トヨタ自動車)が2時間07分47秒の大会新をマークしました。
2023年のレースも、前半は海沿いを走るコースであることに変わりはないのですが、10km手前の折り返し地点以降は、北風を追い風にしてのコンディションが期待できます。
上記の通り「新人の登竜門」と称される別大マラソン。
ここから世界へと羽ばたいていった選手たちは数多くいます。
パリ五輪選考のMGC出場を懸けたレースでもある2023年大会は、日本マラソン界に新たなヒーローが誕生となるか、好記録と併せて期待をしながら観戦したいと思います!