2022度年の大学駅伝で三冠を達成したことが記憶に新しい駒澤大学ですが、次期主将には、エースの鈴木芽吹選手が就任しました。
4区での青山学院大学・太田選手、中央大学・吉居選手とのデッドヒートが記憶に新しいですね。
2021年の日本選手権10000mで3位表彰台の実績もある鈴木選手は、はたして駒澤大学をどんなチームへと導くのか、興味は尽きません。
駒澤大学といえば、大八木弘明監督が総監督となり、藤田敦史さんが監督となるニュースもあってなおのこと注目度は高いことでしょう。
今回は、そんな新体制となったチームを導く鈴木芽吹選手にスポットを当てて、ご紹介したいと思す。
鈴木芽吹選手はなぜ駒澤を選んだのか
駒澤大学を進学先に選んだ理由については、明確な情報はないのですが、意外なことに、駒大スポーツの新入生インタビュー記事によると、特に希望する進学先はなかったのだとか。
3年生の4月に大八木監督と話をして決めたそうですが、高校生で5000m13分56秒64の記録を持っている選手ですから、勧誘の声は他にもあったようですね。
あとはネット上での憶測ではありますが、一学年上に田澤廉選手がいたことも一つのきっかけだったのではないか、との見方も多くあるようです。
ちなみに、鈴木選手が高校時代に目標としていた選手は、同じ佐久長聖高校から早稲田大学に進んだ中谷雄飛選手だったそうですよ。
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鈴木芽吹選手の佐久長聖時代について
鈴木選手は、中学までは静岡県の熱海市に住んでいましたが、静岡県内の高校には進学せず、全国的にも強豪の佐久長聖高校を選びました。
高校では1年次から全校高校駅伝に出場を果たし、早くからチームの主力として活躍されていて、故障や好不調の波はあったものの、同駅伝には3年連続で出場されています。
- 1年次 6区1位 14分20秒
- 2年次 5区4位 8分44秒
- 3年次 1区7位 28分59秒
全国高校駅伝
男子5区
鈴木芽吹(佐久長聖、熱海市泉中、8分44秒、区間4位)
怪我してたようだけど、間に合ってよかったなあ pic.twitter.com/AZEvRUAY94— はし (@hasi07170923) December 23, 2018
個人種目でも、2年次にインターハイ5000mで決勝に進出し、11位の成績を収めています。
高校では上記の通り5000mで13分56秒64と、世代でもトップクラスのタイムをマークしており、当時から注目度の高い選手でした。
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鈴木芽吹選手の怪我から復帰まで
駒澤大学に進学後も鈴木選手は目を見張る活躍を続けます。
1年次にして、9月の日本インカレでは、5000mに自己ベストとなる13分43秒07をマークして3位となると、全日本大学駅伝で早くも三大駅伝デビュー。
3区を区間5位で走り、チームの優勝に貢献しています。
そして、迎えた箱根駅伝では、1年生にして5区山登りに抜擢され、区間4位と好走、こちらもチームの総合優勝に貢献しています。
2年生になっても快進撃は止まらず、日本選手権の10000mに出場すると、同じ駒澤大学の田澤選手に次いで3位となり、この時マークした27分41秒68は日本学生歴代3位となる驚異的なタイムでした。
そんな鈴木選手に受難が訪れたのは2年生の夏でした。
練習の際に右足の大腿骨を疲労骨折してしまったのです。
秋の出雲駅伝、全日本大学駅伝は回避、なんとか箱根駅伝には出場を果たすものの、そのレースの最中に今度は反対の左の大腿骨を疲労骨折。
特に箱根の際はレース中に襲ったアクシデントで、それでもタスキを繋がなければならない駅伝という競技特性もあり相当無理をしたのでしょう。
しばらくは周りの人の介助がないと、日常生活もままならない状態だったそうです。
私も高校生の時に脛骨の疲労骨折を経験していますが、本当に歩くだけでも痛いんです。
一度に加わる力で起こす骨折とは異なり、軽微な負荷が継続してかかることで骨が傷んでしまうのが疲労骨折の特徴で、日頃から走る長距離選手には多い故障です。
まだ体が出来上がっていない若い選手に多いのも特徴と言えます。
故障が癒えた3年目のシーズン。
鈴木選手は試合に出ることなくじっくりと練習を積み重ねます。
故障明けからの復帰戦までの期間は、色々考えてしまって不安定な精神状態になることも私は多かったです。
鈴木選手がはたして泰然自若だったかはわかりませんが、一切試合に出ることなく挑んだのが、出雲駅伝でのアンカーでした。
トップでタスキを受け取った鈴木選手は、区間賞の走りでフィニッシュ地点を駆け抜けます。
チームの優勝を飾るとともに、ご自身の復活も印象付けるレースとなりました。
ついに感動のゴールシーン😭✨#駒澤大学 #鈴木芽吹 選手の凱旋です
▶️出雲駅伝2022プレイバック写真まとめhttps://t.co/lnoh9FzI25#出雲駅伝 #出雲駅伝組織委員会提供写真 pic.twitter.com/o5RCCix69E
— 出雲駅伝コンシェルジュ🎽10/10 (@Fujitsu_izumo) October 14, 2022
全日本大学駅伝こそ出場を回避しましたが、箱根駅伝では4区で区間3位。
チームをトップへと押し上げる力走を見せました。
その箱根駅伝では駒澤大学が優勝を果たし、鈴木選手は新チームの主将となることが決まりました。
新監督と新主将がどんな化学反応を見せてくれるのか、非常に楽しみですね!
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鈴木芽吹選手まとめ
選手は成功体験のみではなく、時に故障や挫折を経験することで強くなります。
逆境を跳ね返す力は、並大抵の努力では生まれないことでしょう。
個人のレベルであればともかく、駅伝というチームで競うスポーツにおいて、鈴木選手の見せた結果は特筆に値するものがあります。
また、箱根を狙う大学のような学生トップクラスの選手が集まるチームで、主将を務めるのも簡単なことではないと思います。
私も高校や大学で若い選手たちを見てきましたが、中には「主将の自分がしっかりしなくては」と一人で背負い込んでしまうケースがあり、精神的な負担を自分自身で強くしてしまう懸念がありました。
人もチームも生き物ですから、多かれ少なかれ変化はあると思いますが、そこを周りの部員たちと協力して、目標とする大学駅伝三冠に向けてまとめ上げていってほしいなと思います。
鈴木選手はご自身の故障もあって周りへの感謝の気持ちをわかっている選手。
その姿勢を周りに示していくことでチームも上手く回るのではないかと期待しています。