毎年12月に前編と後編の2回放送があるBS日テレの特番「箱根駅伝 春夏秋冬」はご覧になられましたか?
その番組でインタビューされている選手の多くが、「目標は総合優勝です!」と語っていますね。
ところで、この総合優勝って何のことかご存知ですか?
「普通の優勝と何が違うの?」なんて思った人もいることでしょう。
箱根駅伝には、総合優勝以外にも、往路優勝と復路優勝もあって、何がどうなったら総合優勝になるのか?
今日は初心者さんにもわかりやすいように、まとめてみました!
箱根駅伝の総合優勝とは?
総合優勝とは、往路(1区〜5区)と復路(6区〜10区)の合計タイムが最も速いチームのことをいいます。
往路優勝は文字通り、往路のタイムが一番速かったチームのことを言います。
往路は全チーム同時にスタートしますので、見た目順がそのままの順位となり、一番に芦ノ湖へゴール=往路優勝となります。わかりやすいですね。
そして、復路優勝は、復路のタイムが一番速かったチームのことを言うのですが、これが見た目の順位=実際の順位とは異なるため、とてもややこしいのです。
なぜかというと、復路は一斉スタートではなく、往路ゴール順のタイム差でスタートをするからです。
例えば、往路1位のAチームが8:00に復路をスタートして、往路10位のBチームが8:10にスタートしたとします。
その後、Aチームが大手町に一番目にゴールして、Bチームが二番目にゴールをしたとしましょう。
見た目上は、Aチームが復路優勝に見えますが、復路の合計タイムを見ると、Aチームは5:30:00、Bチームは5:29:00となっていた場合、Bチームが復路優勝となるのです。
復路は、一斉にタイム計測スタートではなく、それぞれのチームが「よーいドン!」をしてから計測開始になるので、こんな現象が起こるというわけなんですね。
ちなみに、往路1位のチームから10分以上遅れて芦ノ湖にゴールしたチームは、8:10に一斉繰り上げスタートとなります。
とは言っても、合計タイムにはちゃんと一位との差分が加味されますので、11分遅れのチームは+11分、15分遅れのチームには+15分されるようになっています。
最後に予断ですが、実はもう一個優勝の種類がありまして、それが「完全優勝」と呼ばれるものです。
これは、往路優勝・復路優勝・総合優勝のトリプルを達成することを言います。
具体例でいうと、2022年の第98回大会の青山学院大学が記憶に新しいですね!
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箱根駅伝の総合優勝回数が最も多いチームは?
総合優勝回数が最も多いのは、第98回大会終了時点で、中央大学の14回です。
出場回数も最多なので、箱根駅伝出場チームの中でも伝統校と言えます。
中央大学と言えば、第98回大会で1区を独走し、そのまま区間記録を樹立した吉居大和選手と、その弟の吉居駿恭選手の、吉居兄弟が有名ですね。
これだけの実績を残せるということは、常に安定した選手層と強さを誇っていると言えるでしょう。
次いで多いのが、早稲田大学13回。
瀬古利彦さんや、大迫傑さんといった、世界で活躍された有名選手の出身大学でもあります。
ぜひまた上位争いに食い込んできてほしいですね!
3番目に多いのが、日本大学12回。
ここ数年、本戦から遠ざかっていますので、ぜひ古豪復活を遂げてほしいところ。
色々乗り越えて、また近いうちに箱根路に戻ってきてくれると信じています。
4番目以降の優勝回数はこんな感じです!
- 順天堂大学(11回)
- 日本体育大学(10回)
- 駒澤大学(8回)
- 明治大学(7回)
- 青山学院大学(6回)
- 東洋大学、大東文化大学(4回)
- 山梨学院大学(3回)
- 神奈川大学(2回)
- 東海大学、亜細亜大学、専修大学、慶應義塾大学、東京高等師範学校(1回)
最近は優勝争いから、ちょっと遠のいてるかな?という大学もありますが、過去に優勝経験があるというのは大きいので、ぜひまた復活劇を見せてほしいですね!
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箱根駅伝の優勝旗ってあるの?
箱根駅伝の総合優勝をしたチームには、優勝旗はもちろん、賞状・優勝カップ・金メダルなどが送られます。
2位と3位のチームにも賞状・カップ・メダルが、入賞チーム(10位まで)には賞状・トロフィーが授与されます。
【箱根駅伝】
表彰式の様子です本当にありがとうございました! pic.twitter.com/oqfV0P7WCK
— 青学大陸上競技部(長距離ブロック) (@aogaku_rikujyou) January 3, 2017
総合タイムの順位とは別に、往路優勝校と復路優勝校には、賞状・トロフィー・副賞が授与されます。
あまり知られていないのですが、往路優勝校に送られるトロフィーは寄木細工となっていて、とても素敵なんですよ。
このトロフィーは箱根の畑宿にある金指ウッドクラフトの金指勝悦さんが製作されていて、工房では寄木細工体験もできます。
トロフィーのレプリカも置かれているので、ファンの方はぜひ一度訪ねてみてください。
箱根駅伝の優勝トロフィーって
見たことありますか?実は #箱根寄木細工 をつくる#金指ウッドクラフト (@kinnoyubi )さんが26年も作り続けているそう。
そういえば箱根駅伝の表彰式って
見たことなかった…👀お店の方もみんな意外に知らないので
知ってほしいと。曲線が気持ちいい…。 pic.twitter.com/z2oInmik6g
— 近藤 勇気100% | ニッポン手仕事図鑑 (@konuo) March 26, 2022
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箱根駅伝総合優勝まとめ
箱根駅伝は2日間に分けて行われ、さらに復路はタイム差でスタートするからこそ、見た目と実際の合計タイムとで、順位が異なるという複雑なルールになっています。
テレビで見ている私たちは、すぐに自動計算されたタイムで順位を知ることができますが、それができない選手たちは、沿道要員や監督からの情報を得ながら、ペースを調整する必要があります。
その情報も常に得られるわけではないので、あとは自身の腕時計の数値と、己の経験則や体感を頼りに走るしかありません。
そう思うと、より箱根駅伝が緊張感あるレースに見えてきませんか?
ぜひ、箱根駅伝には3つの優勝がある(年によっては4つ)ことを覚えて頂き、観戦中に周りの方に教えてあげましょう!