新年度が始まり、トラックシーズンが盛り上がりを見せていますが、6月の日本選手権を前に、セイコーゴールデングランプリ陸上が5月21日(日)に開催されることを忘れてはいけません!
この大会は、世界陸連で「コンチネンタルツアーゴールド」という格付けで開催されるのですが、世界選手権出場を狙う選手にとっては、とても大事な試合になります。
世界選手権に出るためには、標準記録を突破しているか、ワールドランキングで上位にいる必要があります(ワールドランキングは、記録と大会順位がそれぞれポイント化された合計値で決まります)。
本大会は、グレードがAランクの大会でポイントも高いため、ぜひともチェックしておきたいところ。
今回は、そのセイコーゴールデングランプリの賞金や放送情報などについて紹介していきたいと思います!
セイコーゴールデングランプリは賞金は出るの?
ズバリ、賞金は出ます!
世界陸連のコンチネンタルツアーの規則に沿って用意され、1位は3500~5000アメリカドル、2位は2000~3000アメリカドル、というように配分されていきます。
世界記録を更新すると、さらにボーナスも追加されます。
参考:世界陸連~規則(Book of Rules)
C1.4 – CONTINENTAL TOUR REGULATIONS ※3.6の項に記載されています。
今でこそ、日本人にもプロアスリートがいますが、世界ではダイヤモンドリーグなどを中心に、各地を転戦して賞金や招待料によって収入を得ている選手が沢山います。
今回のセイコーゴールデングランプリも格付けが高いこともあって、外国からの選手も沢山エントリーしています。
賞金も出る今大会は、外国人選手の本気の試合を国内で見ることが出来る、数少ないチャンスでもあります。
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セイコーゴールデングランプリの放送はある?
テレビはTBS系列で5月21日(日)15時から生中継があります。
ライブ配信も当日は下記スケジュールで予定されていますよ。
当日配信されるURLを貼っておきますので、お見逃しのないように!
5/21 (日) 競技LIVE配信
13:30~ 男子やり投(実況付き)
13:30~ 女子走幅跳(実況付き)
15:10~ 女子やり投
15:25~ 男子走幅跳
16:55~ 男子3000m(実況付き)
17:07~ 女子3000m(実況付き)TBS公式サイトより引用
ちなみに、筆者が学生だった頃は「TOTOスーパー陸上」という大会が主に秋に開かれていて、今の陸上競技やスポーツ中継では考えられないかもしれませんが、土曜日の夕方から夜(18時~21時くらいまで)というゴールデンタイムにテレビ朝日系列で生中継されていました。
春季サーキット(今のGPシリーズ)で、ごくわずかに外国人選手が招待されていましたが、当時はそのスーパー陸上くらいしか、国内で外国人のトップ選手の競技をする姿を見ることが出来ませんでした。
往年のファンなら懐かしいであろう、100m元世界記録保持者のカール・ルイス選手や、棒高跳元世界記録保持者のセルゲイ・ブブカ選手を見て感動したことを覚えています。
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セイコーゴールデングランプリ2023の出場選手や注目選手は?
出場選手は公式サイトから確認することが出来ます。
エントリー情報はおそらく開催直前まで更新されていくものと思われますので、上記リンクから随時チェックしてみましょう。
選手の中には、昨年のオレゴンで行われた世界選手権メダリストもいて、個人的にも注目している選手や種目が沢山あります。
- 男子100m
世界陸上金メダリストフレッドカーリー選手に、日本人の10秒02を持つ坂井隆一郎選手(大阪ガス)と、先日10秒03をマークした桐生祥秀選手(日本生命)がどこまで挑めるか楽しみです。
- 男子400m
44秒台の記録を持つアメリカ選手2人に日本人がどこまで挑めるか注目です。中島佑気ジョセフ選手(東洋大)と佐藤拳太郎選手(富士通)の2人は今年自己新をマークしているので、44秒台の記録も期待できるかもしれません。 - 男子110mH
なんといっても高山峻野選手(ゼンリン)、泉谷駿介選手(住友電工)の2人が日本記録13秒06の更新なるか、というところです。100mHや110mHは日本人でも世界のトップでも、ハードル間の歩数は同じですから、そこをいかにリズムよく走れるかで日本人にも勝機がある種目だと思っています。 - 男子3000mSC
言わずもがな、三浦龍司選手(順大)に注目です。ただ、彼のコンディション次第なのですが、自己記録が三浦選手より速い外国人選手が1人しかいないこともあり、あまり記録は期待できないかもしれません。春先のこれまでのレースを見た感じ、状態が上がりきっていないように見えました。先日の関東インカレ5000mではラスト200mのスパートで優勝しましたが、春先は織田記念5000mで他の選手に後れを取るなどもありましたし、こちらの記事によれば春先は単純に調子が良くなかったそうです。関東インカレも本当はラスト1000mで仕掛けたかったが、難しいと判断したそうで、復調途中なのかもしれません。3000mSCは今季初レースになるので、正直読めないところではありますが、コメントでは「悪くても8分20秒を切りたい」とのことなので、期待したいですね。
- 男子走幅跳
橋岡優輝選手(富士通)が今年まだ試合に出ていないのが気がかりなのですが、持っているポテンシャルは高いものがあるので、8m40の日本記録を狙ってほしいです。 - 男子やり投
気づけば80mオーバーの記録を持つ日本人選手も増えてきて、どこまで外国人選手に挑めるか、注目です。 - 女子1500m
こちらも男子の3000mSC同様、田中希実選手(New Balance)より速い選手がエントリーしておらず、記録が狙えるかは微妙なところです。ペースメーカーが用意されるかが記録を左右しそうです。 - 女子100mH
今日本で最も活況を呈している種目とも言えるかもしれません。福部真子選手(日本建設工業)、青木益未選手(七十七銀行)、寺田明日香選手(ジャパンクリエイト)、田中佑美選手(富士通)の12秒台の記録を持つ4人が、日本記録12秒73を更新する可能性は十分あります - 女子走幅跳
秦澄美鈴選手(シバタ工業)は今年の静岡国際で6m75の自己新をマークしています。日本記録6m86も射程圏内です。 - 女子やり投
北口榛花選手(JAL)が海外の強豪相手に勝ち切れば、日本記録も見えると思います。
なお、タイムテーブルはすでに発表されており、13時30分から17時07分までと、陸上競技の大会としては比較的コンパクトな形で運営されるようです。
学生の試合とかだと朝から夕方まで競技が続くということがほとんどなのですが、今回のセイコーゴールデングランプリは各種目とも少数精鋭で行われます。
短時間で飽きずに楽しむことが出来そうですね!
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セイコーゴールデングランプリまとめ
種目によっては、日本選手権の前哨戦ともなるセイコーゴールデングランプリ。
世界選手権を見据えた選手たちにとっては、順位や記録で重要な一戦となりますので、外国人選手を交えた中での真剣勝負に期待したいところです。
後は出来るだけたくさんのお客さんに入ってもらいたいなと思っています。
やっぱり日産スタジアムくらいの大きなスタジアムだと、お客さんが入らないと空席が目立っちゃいますからね。
学生のような試合の雰囲気、盛り上がりを求めるのは難しいところですが、競技レベルは間違いなく日本国内で開かれる大会としてはトップクラスなので、選手の皆さんのテンションが高くなるような雰囲気を作っていただければと思います。
最後になりますが、特に子供や学生など、未来の陸上界を担う若い方々に見ていただいて、刺激となるような大会になってくれることを祈ります。
見ている人が「陸上競技かっこいいな!」「自分もやってみようかな!」と思える大会になることを願っています。